カルテット伴奏

私のクラスのミニコンサートでは、ピアノ伴奏とともに、弦楽四重奏伴奏も実施しています。
卒業演奏会のオーケストラ伴奏も念頭に、ご理解頂きたい事を書こうと思います。
いきなりですが、芸能人格付けチェックという番組があります。これに例えて説明したいと思います。
例えば、番組サイトで確認すると、2019年のこの番組では、10億円のバイオリンと、100万円のバイオリンが登場しました。
そこに「100万円の一般的なバイオリン」と書いてありました!(サイトからの引用ですので、そのまま「バ」イオリンとしました。)
100万円は大金です。100万円では、超一流の制作者の、年を経ても、値段の下がらないような楽器は無理としても、十分使える楽器が沢山あると思います。つまり、無価値では決して無いです。
ベートーベンのヴァイオリンとピアノのためのソナタを演奏するのに、ヴァイオリンとピアノでというのは当然で、それをヴァイオリンソロと弦楽四重奏で弾く必要はありません。でも、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲をピアノ伴奏で弾くのは、本番に向けて、100万円のヴァイオリンを借りてくるようなものだと思います。そして、オーケストラと共演するということは、さながら10億円のヴァイオリンを借りてくる様な事だと思います。
ピアノ伴奏も価値ある事です。ですから、ピアノ伴奏を希望する人がいても、全くおかしな事ではありません。
でも、オーケストラ伴奏で演奏出来ることは、通常は経験できない価値あるイベントである事も、理解していただきたいと思います。
カルテット伴奏もそれに準じて、価値ある経験だと知っていただきたいと願っています。
このことで、解って頂きたい事を補足しておきます。
ミニコンサート等が近づきますと、それが可能な曲に関して、「弦楽四重奏伴奏で弾きますか?」と尋ねます。
拒否する方はおられませんが、色々なケースがあります。
「弦楽四重奏伴奏で弾けるなんてめったにない機会だから、是非弾きたい」という方と、「ピアノ伴奏の方が良いのに、先生がそう言うのだから仕方ないな」と思っておられる方がいます。それで、先生としては、念を押すことがあります。前者の方にとっては、煩わしいと感じるかも知れません。でも、後者の方もおられるのです。この点を解って頂けると、「そういえば、そんなことを再三尋ねられて、煩わしいと感じたことがあったな。先生の質問には、そんな意味が含まれていたのか!煩わしい態度をとったのは間違っていたな。」と思っていただけるのでは無いかと思います。

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