巻数について
スズキの教本は1巻から10巻まであり、その後は研究科A~Cとなっています。
そのことで、時折誤解する方がいますので、書いて見たいと思います。
教材として、モーツァルトの協奏曲第5番が9巻、4番が10巻となっています。
でも、巻数が上だからと、4番が5番より上位に位置するというわけではありません。
ここに、「教材として」と書きましたが、これらの協奏曲は演奏会で演奏されるために書かれたもので、いわゆる練習曲で無いことは言うまでもありません。
何か、発表会でもあって、5巻を練習している生徒さんに、「今度の発表会では、1巻のちょうちょうを弾いて下さい」なんて話になると、当然それは「??」という話になります。
でも、10巻を練習している生徒さんに、「今度、弦楽合奏団でバロック音楽の楽しみ、というコンサートをしたいので、バッハの協奏曲イ短調を独奏してくれる?」と尋ねられて、「はあ?そんな下の巻数の曲を弾くんですか?」との反応はおかしな事です。
4~5巻以上になると、一流のヴァイオリニストの方が、コンサートで取り上げる曲を練習して頂く事になります。その価値を充分理解していただきたいと願っています。