雑感
春になると思い巡らすこと
例年、この季節は、ピアノ科の卒業式が開催されます。
その中で、卒業生による、オーケストラとのピアノ協奏曲が演奏されていましたが、最近はコロナ禍のせいで、実施されていません。
また、再開されることを願っています。
以前は、しばしば、そのオーケストラの指揮を仰せつかっていました。
オケメンバーはヴァイオリン科、チェロ科の上級生で、管楽器はエキストラの皆さんをお願いしていました。
卒業生の皆さんにとって、オーケストラとの共演は、ひょっとしたら一生に一度の事かも知れません。そのような大切な時間を共有したり、フォローしてあげられるということは、大変価値のあることだと、私は思っています。
オーケストラで弾く生徒さん方にとっては、私指揮で協奏曲のオーケストラ部分を演奏するより、T田先生指揮でベートーベンの交響曲を演奏することの方を選ぶとしても、それは人情です。
演奏者としての価値はそうであったとしても、人として、自分の為では無く、ソロを演奏する生徒さんの為に演奏出来るということは、違った意味で価値のある、幸いなことだと思います。
スズキメソード京都でも、卒業演奏として、オーケストラと協奏曲を演奏していただいています。
エキストラの管楽器という観点から、モーツァルトのピアノ協奏曲第26番「戴冠式」を例に挙げますと、フルート1、オーボエ2、ファゴット2、トランペット2、ホルン2、そしてティンパニが必要です。それに比べてヴァイオリン協奏曲は、オーボエ2、ホルン2だけで済みます。
この企画は、1990年に初めて実施しましたが、その時にオーケストラパートを弾いたメンバーからの苦言は、「自分たちはこんな事、してもらっていない」というものでした。申し訳無くも、それは仕方が無いのですが、、、
私は、私のクラスの生徒さんには、ヴァイオリンが上手に弾けて、ヴァイオリン協奏曲やソナタ、交響曲や弦楽四重奏を楽しんでもらいたいと願うと同時に、このような協奏曲のTuttiを演奏出来る機会に、喜んで参加してくれる心が育って欲しいと願っています。